僕達には馴染みがない話ですが、アメリカの歴代大統領にウィルソンという方がいました。

この方、なかなか評判が悪い方だったそうです。

 

なぜ、評判が悪いかと言うと、、、

自分の思想を徹底していたから。

 

ウィルソンは「公正」というのを大事にしていたのです。

何につけ公正を貫く。

徹底しすぎて、他人には「あんな冷徹な人間は知らん、人の気持ちのわからないやつ」とまで言われていたというのです。

そんな悪評が立とうがウィルソンは自分の信念を曲げなかったそうです。

 

そんなある日、ウィルソンのもとに一つの請願が舞い込みます。

それはある犯罪者の特赦(刑を軽くするお願い)でした。

この犯罪者にはとても気の毒な事情があった、というのです。

 

これを助けられるのは大統領の特赦だけ。

それはウィルソンの家族までもが懇願するほどの内容だったそうです。

 

でも、ウィルソンは聞き入れません。

「なんで、その一家族のために大統領が判断を曲げなければならないのだ。

そんなことをしたら1億2千万の国民を裏切ることになる」

もう、誰もウィルソンに期待しなくなりました。

 

ところが数日経ったある日。

ウィルソンは特赦を受け入れました。

驚いたのは周りの人間。

 

「え?なんで?」

「どしたの?」

「1億2千万人を裏切ることになるんじゃなかったの?」

きっと、あなたもそう思っているでしょう。

僕もそう思いました。

 

ウィルソンはこう言ったそうです。

「私は間違っていました。

公正を徹底することで却って公正を失うことになっていることに気づきました。

自分は公正を守ってきたという思いでやってきたがいつのまにか傲慢になっていたようです。

謙虚さを思いだしました。

謙虚な心だけが神の宿所になる。

 

公平、公平と言って結局、人でなしの情知らずになってしまった、という話し。

 

 

さて。

ここでのポイントは謙虚さという感じに見えますが、この謙虚さはどうやったら生まれるのでしょうか。

これは自分を振り返ることだと思うのです。

ウィルソンは自分を振り返ったからこそ謙虚さを取り戻しました。

 

 

僕達ギター弾く人も同じです。

あれやこれやと知識を詰め込んだり、練習方法を漁ったり。

そして、人のコンテンツを表面的に消化しては「すでに知ってるわ、ボケ」などと思ったり、ひどい場合はそれをコメントしてしまったり。

そういう態度が自分の成長を止めるのです。

 

自分を定期的に振り返ればこういう残念なことはなくなります。

楽しく音楽をやるためにも定期的に振り返るのはおすすめです。

自戒をこめて。