先日、宅配便のユーザーさんから
質問が来ました。
※宅配便というのは僕がやっている
ギター練習ツールの配布サービスです
宅配便には一曲通しという企画があります。
曲はそもそもパーツに分かれています。
日本では「Aメロ」とか「サビ」とか
呼んでいるようなやつですね。
一曲通しではパーツを各個撃破したあと、
参考にしている曲と同じようにパーツを
繋げて弾く練習をするわけです。
その中でこんな質問を頂いたのです。
> どのタイミングで次のパーツに
> 転換すれば良いか、
> タイミングが分かりません。
これはもちろん、すでに練習法の解説動画中で
解説していることだったので
それをお伝えしたら
こんなメールが返ってきました。
> 奥田先生
>
> 質問回答ありがとうございました!
>
> 早速基本動画の一曲通しを確認しました。
>
> 最初に見ただけで、完全に忘れていました汗
>
> 改めてこの時期に確認すると
> 『なるほど、確かにこのやり方だと
> 練習の濃さが増す!』と感じると共に、
> 早速、紙に書き出して
> やってみようと思えました。
>
> 今後出る一曲通し練習もこれを念頭にできます。
>
> ありがとうございました!
一見、普通のお返事に見えるわけですが、
実はここには素晴らしいヒントが隠れています。
まず、
> 最初に見ただけで、完全に忘れていました汗
ここ。
この部分の学びが一番大きいのではないかと
思います。
この部分でわかること。
それは、、、、、
人は忘れる生き物である、ということです。
忘れるのですよ。
でも、それをご自身の練習や行動に
反映させているでしょうか?
長年、コーチさせてもらっていて
よく感じることがあります。
それは、、、、
ギター練習に加算、累積的な
イメージを持っている人が
とても多いということ。
基礎ができあがったら発展的なことが出来る。
こうおもっている人はとても多い印象です。
まぁ、別にどんな考え方をしててもいいのですが、、、、
個人的にはこの考えには1つ穴がある
とおもっています。
それは、、、
「作り込んだ基礎が崩れない」という前提を
持っているところに穴があるとおもうのです。
基礎はよく住宅に例えられます。
だからでしょうか。
崩れないとおもっている。
でも、人間のスキルに関して言うならば、
基礎は崩れます。
おもっている以上に簡単に。
そして、短期間で。
なぜなら、人間は忘れる生き物だからです。
僕が宅配便をやめずに提供し続けるのは
ユーザーさんが意識しなくても
基礎を作り続けることが出来るからです。
定期的に練習ツールが送られてきたら
とりあえずやってみようとなりやすい。
その練習ツールの中身が
演奏の基礎力を強化することに繋がること
ばかりだったら?
ユーザーさんは別になにも考えずとも
続けるだけで自動的に基礎力を強化することが
出来る。
忘れるということがなくなる。
基礎を忘れたら退化するのは言うまでもないこと。
だからこそ、スキルをマスターするための
伝統的な教えである「守破離」でも、
「離れたあとに守にもどれ」というのです。
これは「それだけ基礎が重要」
という意味でもありますが、、、、
「そもそも人間は忘れる生き物だから、
いつも初め(基礎)に戻るべき」
という意味だとおもうのです。
目的は基礎が崩れないようにするためだから、
守って、破って、離れて、、、、みたいな
ステップアップではなく、
守りながら、破って
守りながら、離れたって良いとおもうのです。
それを実現させるために宅配便を
提供し続けるわけです。
さて。
長々と書きましたが、最も重要なことは、、、
僕達は忘れる生き物だということです。
だから、そこに逆らうのは愚策です。
忘れるからこそ、どうするのか?
忘れる、という事実を受け入れ、
利用するにはどうすればいいのか?
ここを練習に取り込むことは
おもっている以上に重要だと思います。
ご参考になればうれしいです。