時は紀元前2000年。

 

男は頭を悩ませていました。

 

彼のことを人は

ファラオと読んでいました。

 

そう、この男とはエジプトの王様。

 

当時、ファラオは近隣諸国と戦争をし、

勝利するたびに敵兵を奴隷にしていました。

 

ところが、このことがファラオの頭痛の種

だったというのです。

 

何が起こっていたのか?

 

それは、奴隷に言葉が通じない、という問題。

 

奴隷なのだから働いてもらわなければ

困るのに肝心の命令が伝わらない。

 

さて、どうしたものか?

 

そこで発明されたのが当時使っていた文字の

シンプル化。

 

このアイデアは大成功。

 

奴隷たちは故郷に帰る際に、

このシンプル化された文字体系を持ち帰り、

世界中に広がりました。

 

それがアルファベット。

 

僕たちも学校で習う、あの記号なのです….

 

 

この話には実は大きなヒントが眠っています。

 

このヒントの価値がわかると

僕たちのギター練習は必ず変わります。

 

どういうことかお話しましょう。

 

それは…

 

僕たち人間はシンプルなものしか

処理できないってことです。

 

これをギターに置き換えることは

出来ないでしょうか?

 

ギターに置き換えるとこうなります。

 

シンプルな演奏を

きちんとこなすことができれば

ギターは弾けるようになる。

 

つまり、わざわざ背伸びして難しいものに

チャレンジする必要はないってことです。

 

結果を急いでも得られるものは少ない、

ということです。

 

じゃあ、シンプルな演奏ってなんだ?

ってなったときに答えは決まってきます。

 

そう、リズムギター、バッキングですね。

 

リズム演奏を

ちゃんとこなせるようになること。

 

これが僕たちギタリストが

一番最初に掲げることが出来る

シンプルな目標になるはずです。

 

あなたのリズム演奏は大丈夫でしょうか?

 

知らない人に聞かせて大丈夫な演奏に

なっているでしょうか?

 

知らない人と合わせて快適さを

互いに感じられる演奏に

なっているでしょうか?

 

 

追記

ちなみに、こういう話をすると

「複雑な事やっている人はどうなるんだ?」

と思われるかも知れません。

 

速弾きとか超絶技巧的な演奏ありますよね。

 

あぁいうのはどうなるのか、って

ことですよね。

 

でも、複雑なことをやっている人たちでも

最初はシンプルなものしか

処理できなかったはずなのです。

 

シンプルなことをやり続けて、

普通に出来るようになったら

その人の中で勝手に演奏の基準が上がる。

 

この繰り返しで複雑なことが

出来るようになった、というのが

真相でしょう。

 

現実にはこういうプロセスを辿らない人も

たくさんいるのですが、やっぱそういう人は

いずれどっかでやり直しになるケースが

多いように経験上思います。

 

急がず、焦らず、素直にシンプルなことを

積み重ねるのが確実だというのは

間違いないと思いますね。