人間の脳や身体は

異常に反応するように出来ているそうです。

 

 

だから、変化に敏感。

 

 

 

食べ物から変な匂いがする。

 

 

舌に異常のあるものを載せたらすぐに分かる。

 

 

普段耳にしない音も聴こえてきたら

すぐに反応する。

 

 

円の図とパックマンみたいな図を横に並べると

間違いなくパックマンに目が行くのが人間。

 

 

 

消防車や救急車が近くで停まった。

 

 

事件が起こった。

 

 

となると野次馬が集まるのも

この原理なのかもしれません。

 

 

ネガティブに人は反応するなどという

心理法則もそうでしょう。

 

 

 

要は「異常」に反応するわけです。

 

 

 

これは種の保存という意味では

絶対に必要な特性でありますが…

 

 

世の中のあらゆるものに

利害というものがあるように、

 

「異常」に反応するという

折角の特性にも害があります。

 

 

 

それは…

 

当たり前のことに反応するのが難しい

 

ということです。

 

 

これは違った側面から表現するとこう言えます。

 

 

如何に正しく、王道的な大事なことでも

刺激がないと続けることが難しい。

 

 

 

僕はギター教える時に

 

「当たり前のことを

まずはちゃんと出来るようにせよ」

 

と伝えるのですが、

これは非常に厳しい教えなのです。

 

 

 

この教えは

もちろん僕のオリジナルではありません。

 

 

こんな話は古来から沢山言われている。

 

 

 

能の世阿弥が書いた風姿花伝を読むと

そういう地味で低刺激な基本というものを

徹底的に大事にしていることがうかがわれます。

 

 

茶道の千利休もそうですね。

 

 

規矩作法 守り尽くして破るとも

離るるとても本を忘るな

 

 

要は、上達して道に達しても

基本をおろそかにしてはいけない、

ということです。

 

 

 

このように基本の重要性を

説くのは何故なのか?

 

 

それは…

 

当時から人は基本をおろそかにするからです。

 

 

古き教えに価値があるのは

守るべきものなのにも関わらず

ぼーっと生きてると守れない内容だからです。

 

 

失われやすい内容だからです。

 

 

だから、後進のために残さねばならなくなる。

 

 

 

能でも茶道でも基本は重要なのです。

 

 

ギターでも同様です。

 

 

 

では、ギターの当たり前、基本とは何か?

 

 

それは、どんなジャンルの音楽をやってようが

そこに含まれる要素を

ちゃんと出来るようになっていることです。

 

 

いつも言ってる身体操作、トーン×リズムです。

 

 

この2つはいかなるジャンルの音楽を

やってようが共通でしょう?

 

 

ならば、こういうことを

まずはちゃんとやることです。

 

 

 

どんな世界でも発展的なことや

あまり人が発信してないような事には

注目が集まります。

 

 

もちろん、そういうことも重要です。

 

 

 

でも、それは当たり前の基本というものが

出来た上での話として捉えないと

大きく道を踏み外す事になりかねません。

 

 

特に楽しく音楽をやりたい、というのなら

やはり当たり前の基本の習熟を通して

心を養ってないと誰かと音楽を演奏したり

共有する時に解決できない問題として

壁が立ちはだかったりするものです。

 

 

 

人間は心の生き物なのですから。

 

 

如何に正しいことをのたまっておっても

下品下劣な低俗な人間であれば

言ってることが正しければ正しいほど

面白くない状況になるものです。

 

 

 

技術は大事ですが

それ以上に人間として見たときに

やはり当たり前の基本が出来てる人を

目指したいものです。

 

 

そうなっていれば技術的な問題も

必要に応じて解決するものですから。