GASで悩んでいたスティーヴ・ヴァイ。

彼はどうやってGASを脱却したのか。

こう語っています。

「ピックの選び方、ピックする場所、
ピックの仕方、ピックの角度、
あらゆることを実験し始めました。

音を聴いて、それが何なのか
分かるようになってから、
いよいよ作業が始まるんです。」

つまり、ピッキングにまつわるすべての要素を
検証したということです。

これは信じることが変化した
ということを表していると思います。

トーンは機材によって作られる部分が大きい
という信念が変化したわけです。

じゃあ、どう変化したのか?

それは…

ピッキングで音色は変わる。

という信念に変わったはず。

だからこそ、ピッキングにまつわる要素を
検証する、という行為に変わるわけです。

機材沼にハマって
にっちもさっちもいかなくなった。

そのことで機材という可能性が
消去法的に消えたのかも知れません。

いずれにせよ、機材では変わらない。

という悟りを得たことで、
じゃあ、何が出音に影響するのか?
という問いが生まれて、
ピッキングで音色は変わるはず
という仮説を得るわけです。

そして、その後の話がでてこない、
ということは…

ピッキングにより音色が変化したから
言及されないということは考えられるでしょう。

そして、それは
僕のプレーヤーとしての経験からも、
講師経験からも正解だと思います。

機材は出音に影響しない…

とはいいませんが、
ピッキングの影響力の方が遥かに大きい。

だから、生徒さんにも
身体の使い方を指導することは
かなり多いのです。

ギターは左右の手の動きで
トーンとリズムを表現するものです。

トーンとリズムを表現することは目的だけど
その手段は左右の手の動きという
「身体操作」なのです。

だから、身体操作を
リズム表現とともに実践することは
演奏を根本から生まれ変わらせる事になる。

もし、あなたも機材沼にハマっているけど
出音が変わらない…

または、変わっていても機材がなくなったら
急にしょぼくなると感じるなら…

身体操作を見直すといいかも知れません。

ご参考までに。

追記

実は、この「身体操作」と
「機材」の関係について、
先日ある生徒さんの演奏を聞いて
痛感した出来事がありました。

その生徒さんは、ある有名なギタリストの
シグネーチャーモデルを使っていたのですが…

出てきた音を聞いた瞬間、
僕は「ある違和感」を覚えたのです。

音はプロと同じなのに、
なぜか興冷め感が否めなかったのです。

なぜ、同じ機材を使っているのに
感動できなかったのか?

そこに、目指すべき
「本当の音作り」のヒントが隠されています。

次回、その「違和感の正体」について
お話しします。

多くの人が陥りやすい罠だと思いますので
お楽しみに。

追記 その2

他にもスティーヴ・ヴァイのインタビューには
結構ギターのヒントはなにげに現れるので
親しんでおくと良いかも知れません。

⏩️クリックしてインタビューを確認する