ギター練習している人ってみんな真面目です。

だって、みんな基礎練大好きだから。

これは皮肉ではありません。

みんな、基礎を重んじているのです。

多くの人は、自分が弾きたい曲を
弾こうとしたことがある。

でも、上手く弾けなかった…

テンポに指が追いつかなかったり
そもそも音が出ないということも
あったでしょう。

そうなったときに

「あぁ、きっと自分には基礎がないから
弾けないんだ」

と大抵の人が思う。

これは美しい考え方だと思いませんか?

とても謙虚で美しいと僕は思う。

そして、多くの人は純粋で素直です。

だから、「基礎」と名付けられた練習をする。

それがいわゆる「基礎トレフレーズ」だったり
するわけですよね。

1日数分、「基礎」と名付けられた
機械的なフレーズを弾くわけでしょう。

これだけで、非常に計画的な練習が成立する。

「1日数分、このフレーズを弾くだけだ。

毎日やっていたらきっとある日、ギター演奏に
困らないレベルの盤石な基礎が身につくぞ」

そう思って頑張るわけです。

ところが…

1ヶ月くらい経つと飽きてくる。

でも、頑張ってそれが
3ヶ月くらい続けられるようになると
ちょっと成果が気になって来たりする。

そこで最初の挫折がやってくる。

だって、弾きたい曲は
弾けるようになってないからです。

この後の話もあるけど、
それはまた違った話になるからおいておいて…

これって残念な結末だと思いませんか。

努力が報われなかったと感じちゃいますよね。

努力してもしても報われない
ある種の蟻地獄現象が起こるのが
ギター上達あるあるかも知れません。

僕はこういう人を沢山見てきました。

みんな、すごく真面目で素直です。

はじめはみんなこうなのです。

だから、早い内に蟻地獄みたいな状態が
脱出できたらいいんだけど
ここは本当に運次第。

ここで自分で何故こんなことになるのか?
と仮説検証が偏りなく出来たらいいんだけど
まぁそんな強靭な精神を持ち合わせている人は
正直あまりおりません。

大抵の人が人に頼る。

今ならそれはYouTuberかも知れないし
ギター講師かもしれない。

いずれにせよ、先人に頼る。

しかし、それでも努力は
報われないことが多いのです。

なぜなら、ギター教えている側は
自分が身につけたプロセスを解説することに
終始していることが圧倒的に多いから。

人は多様な生き物ですよね。

趣味趣向も性格もライフスタイルも
何から何までみな違う。

それまでに経験してきた内容も違えば
その体験にどんな意味付けをしてきたか、
ということも違うのです。

だから、自分が身につけたプロセスだけを
シェアされてもあなたの望む結果に
繋がらないのです。

こういうことがあると気づいたから、
僕は本当の基礎とは何なのか?とか
本当に人に上達をもたらすものは何なのか?ということを追求してきました。

ギタリストとしての演奏活動を一切止めたのは
そうでもしないとこんな壮大なことは
解き明かせるわけがないと思ったからです。

演奏活動って思っている以上に
時間と手間を取られますからね。

僕が追求しようとしていたことは
演奏活動などしていたら到底時間が
無かったのですよ。

生活のために外で働くことも
しなければならなかったし。

とにかく時間が無かったから、
演奏活動は止めたのです。

でも、おかげで僕はある程度、
誰にでも共通する「上達の要素・条件」を
確定させることが出来たと思っています。

それは今までの生徒さんが証明してくれたから
ほんと生徒さんには感謝であります。

さて。

話は基礎に戻るのですが、
何故、基礎練が報われないのでしょうか?

これはちゃんと理由があります。

その一つが

基礎というものは何か、

ということを考えてないからです。

対象となるものが何か分からないのに
それを身につけようというのは
目的地もないのに理想郷にたどり着きたいと
言ってグーグル・マップ片手に
歩き出すのと同じです。

そもそも、目的地、入力してないから
マップは機能しませんよね。

つまり、あなたがギター演奏の基礎を作りたいなら
「基礎とは何なのか?」ということを
先に理解している必要がある。

少なくとも仮説レベルでは答えを
出せてないとダメなのです。

こんな事をいうと…

「手っ取り早くその答えを教えてくれよ」

と思うかも知れませんね。

でも、それでは見返りは得られません。

「基礎とは何か」という答えを
僕が示してもいいけど
それを信じられなければ
せっかくの定義も活用することが出来ないからです。

最終的にあなたが答えに対して納得できなければ
ダメなのです。

だったら、ここは楽をせずに
まずは自分で考えてみたらいかがでしょうか。

この問いは偉大ですよ。

これによって基礎が身につく身につかないが
決まってしまうから。

場合によっては「機械的な基礎練フレーズを弾く」
という練習方法があなたには必要ない
という答えになるかも知れません。

一度考えてみませんか?

あなたにとって
ギター演奏の基礎とは何でしょうか?