昨日、紹介した生徒さん。
Nさんと言うのですが、
彼が放った一言が刺さりました。
彼は、
「今までどんだけ間違った方法で
練習してたんだろう…
早く聞けばよかった…」
といいました。
だから、僕は
彼の苦労は無駄にはなってないことを
伝えました。
そして、
「良くぞ何年も上達実感得られなくても
ギター続けてくださいました。
なかなか出来ないことですよ。」
と伝えたら彼はちょっとはにかみながら
いいました。
「やるからには趣味とはいえ
徹底的にやらないと嫌なんですよ。
弾けるようになりたいですから。」
僕はこれを聞いて、感動しました。
もう、この人は勝ち確(勝ち確定)だと
思ったからです。
間違いなく上達を重ねていって
趣味で弾いているのにプロ以上の腕になる。
この心の態度を持っている人は
それを失わない限りプロ以上の腕になる。
もう時間の問題だと思いました。
これが苦労した人の得る見返りなのです。
努力が報われないのは誰しもが嫌なものですが
それはその時だけ。
後になったら間違いなく誰でも
こう思うことでしょう。
「あぁぁぁ、報われなくて良かった」
と。
最初から何でもかんでも上手くいく人間は
それはそれでよろしいでしょうが、
やはり人間に深みがない。
その浅さが無限の上達、進歩に
ブレーキをかけます。
ちょっと苦しいことが出てきたら
簡単に心が折れる。
それまで傲慢になって
いきり立っておるようなものでも
簡単に折れたりする。
実にはずかしいことになることが
よくありますね。
稀に宮本武蔵みたいな天才がいて
勝負に一度も負けないものが出てくるけど
あれは例外。
一度も負けない代わりに、
そのストイックさは
異常なレベルだったりしますから。
普通はそうではない。
苦労を嫌って、楽に流れる。
それは本当は楽でなかったと
気づいたときには時遅し。
これがよくあるパターン。
でも、努力が報われなかった人は違います。
その報われない苦節に耐えたことで
意図せず身についた深みがその人を
無限の上達進歩に導くからです。
本当の楽とは
苦労を苦労とも思わなくなる心の態度によって
得られるのです。
大谷翔平さんが愛読していると言われる
中村天風は積極思考を説いておるけど
まさにその内容と同じです。
苦労を苦労と思わないのが積極的思考。
本当のポジティブシンキングです。
ちょっと難しいことや、苦しいことが出てきたから逃げるのはポジティブではない。
ただのネガティブ、消極的思考であります。
ただの逃避だから。
人間はそもそも力があります。
天風さんはそれをいいたいわけです。
「そもそも力があるから発揮せぃよ、
それが積極的思考というものじゃ」
といいたいのですよ。
そもそも、力があるんだから
あるようにしているだけ。
それにはよぅ気づけ、ということなのです。
苦労に耐えるということは
積極的態度を創ることになります。
だから、苦労人は素晴らしいのです。
「やるからには趣味とはいえ
徹底的にやらないと嫌なんですよ。
弾けるようになりたいですから。」
我々もこうでありましょう。
そもそもこれが人間の自然な姿なのですから。