「そうすると聞いてずっとそうしていました」

そう教えてくれたのは
オンラインレッスンの生徒さんのNさん。

Nさんは今、ある曲をやっているんだけど
そこに出てくる単音カッティングができない
という悩みを持っていました。

音はなんだか硬く、トゲトゲしく、
見るからに弾きにくそうです。

そこでピッキングのやり方を
変えるように教えました。

ピックの持ち方を変えるように
指導しただけなのですが
明らかに表情が曇っておられたので
「これは違うことを信じておるな」
と思っていたら
冒頭のセリフです。

Nさんの話によると、
YouTubeの動画等でピックは短く持つものだと
聞かされたようで、それを信じていたのです。

僕の指導がそれと全く逆だから
表情が曇ったわけです。

結果、Nさんはピックを長く持つことにしたことで
30分という短時間のレッスン中に
長く持つのが正解だと気づいたようです。

明らかに出音が変わり、
ピックと弦の摩擦抵抗を逃がしやすくなったことで
演奏がやりやすくなったのだから
そっちが正解だと確信したわけです。

さて。

この話はなかなか恐ろしいと思いませんか?

人は自分が信じることをずっとやり続ける
生き物であることがわかるからです。

自分が信じているやり方なら
それが音を良くしてくれていなくても、
演奏しにくいという実感があっても
続けてしまう、ということですから。

上手くいかない方法を信じ続けて
状況が良くなる訳ありません。

それで最終的に
「俺にはセンスがなかったんだ」
などと結論づけてしまったら
目も当てられない。

改めて情報や教育と言うのは
恐ろしいものだと思いましたね。

あなたは何を信じているでしょうか。

あなたが信じているものは
あなたにちゃんと望む結果を
もたらしてくれているでしょうか。

自分が自分にどんな情報知識を与え
自分が何を信じるか?

これはギターでも他の事でも
その行く末を左右すると思います。

追記

ちなみにピックを短く持つのは
間違いではありません。

先のNさんの状況には不適切な教えだった、
というだけです。

短く持つのはいついかなる時も間違いである
とは思わないでくださいませ。