横にいた男が口を開きました。

 

「わかると出来るは違うねんで。」

 

僕は言葉が出ませんでした。

 

そのひとことが深く深く自分の心に

染み渡るような感覚を覚えたからです。

 

無言でうなずいて、

黙々と眼の前の課題に取り組みました。

 

 

これは僕が16のときに数学の家庭教師が

くれた言葉です。

 

僕はこれを未だに痛感することが多いです。

 

ギター教えててもそう思うことは

しょっちゅうです。

 

自分が何かを学ぶときも上手くいかない時は

だいたい、これにハマっています。

 

それくらい人は「わかったつもり」に

なっているという自覚はないわけです。

 

特にギターで

この「わかったつもり」パターンに陥ると

最悪です。

 

例えば、何かのフレーズが

Gミクソリディアンスケールを使って

弾いていることはわかっているが弾けない、

みたいな状態….

 

Fリディアンを使って弾いていると

わかってもそのようなフレーズは作れないし、

弾けない、みたいな状態…

 

※ちなみに、GミクソやFリディアンの意味は

わからなくてもOKです。

 

どうですか?

普通にみっともないでしょう?

 

なんか自己嫌悪に陥ってしまいませんか?

 

だから、ギターはわかっているよりも

出来ることが重要。

 

活用できることが重要なのです。

 

音楽理論が使えないという時期は

あるわけですがそれが、まさに

こういう状況ですね。

 

僕も身に覚えがあります。

 

でも、ありがたいことにギターは

あることをやるとこの罠に

ハマりにくいのです。

 

 

さて。

それってどうやったら良いと思いますか?

 

これは…

わからなくてもいいから弾くこと。

 

もちろんデタラメではいけませんよ。

 

何でも良いから弾けってことじゃない。

 

ちゃんと考えられた練習法は必要です。

 

でも、練習方法を知ったなら後は

その内容がわからなくてもいいから

とにかく弾くことです。

 

わかったつもりというのは

アタマだけでわかっている状態です。

 

出来る人というのはその方法を散々やって、

身体で理解している状態です。

 

だから、黙って実践。

100の理屈より1の実践です。

 

理解する、わかるなんてのは二の次、

三の次だと思って手を動かしましょう。