あるところに2人の商人がいました。
ある時、商売でたまたま一緒に峠道を登っていました。
焼け付くような暑さの中重い商品を背負って登るのは想像を絶する重労働だったのです。
途中、二人は木陰で休んだときの事。
1人がみずからの額に滴る汗を拭きながらこう言いました。
「もうちょっと、この山低かったら良いんだけどなぁ。まぁ、商いは苦労するものですが、コレだけ坂が厳しかったら行商なんかやるんじゃなかったとおもっちゃいます」
これを聞いたもう一人の商人は嬉しそうでした。
顔に笑みを浮かべながらこう言いました。
「もっとこの山が高かったら良いのに、と僕は思います。そうすれば大抵の商人は行商を諦めて僕が1人でおもくそ稼げるのに」
これは商売の話ですが、ギターも同じ。
ちょっとやってみて難しいフレーズに出くわして「自分には向いてない」とかいうケースを目にしたことも耳にしたこともありますが、そうやってみんな脱落していくんですよね。
で、そういう風にして脱落するとそれはある種の失敗体験としてインプットされるから次に別のジャンルで同じようなことをやってしまうというパターンがあると思うのです。
なにかの壁にぶち当たるということは、考えようによってはとても良いことなのです。
何故ならそこを乗り越えたら自分は大きく変われるからです。
ということで、難しい課題が出てきたらこの2人目の商人のように喜んでみてください。
振りでもいいからやると変わると思いますよ。