「『わかる』と『できる』は違う」

 

 

16歳のときにこの教えを受けて

以来30年、僕はこれを意識し続けました。

 

 

今でもしょっちゅう、あの時の師の声で

頭の中に蘇ります。

 

 

 

そうやってずっと1つの教えを実践していくと

面白いことが起こります。

 

 

それは…

 

教えの本体、真意が見えてくる…

 

ということなのです。

 

 

 

例えば、先の『わかる』と『できる』。

 

 

これは…

 

わかっているだけではだめ、

活用できないといけないってことです。

 

 

ところがずっとこれを状況にあわせて

必要に応じてアレンジしたりしながら

実践していくと…

 

実は『わかる』と『できる』には

先があるということを悟ります。

 

 

 

先にはこう続きます。

 

『つながる』、『ひろがる』と。

 

 

 

例えば、ギターとかでも

最初からいきなりなんでもかんでも

弾けませんよね。

 

 

だから、最初は

まともな練習法の実践が必要になるわけです。

 

 

 

なので、まずは練習法を理解するわけです。

 

 

これが『わかる』。

 

 

 

次はそれを実践する。

 

 

もちろん、1回や2回の実践では

意味がありません。

 

 

何度も何度もやっていく。

 

 

飽きるほどやって、飽きを感じながらも

それでもまだ続けると…

 

その練習は意識しなくてもできるようになる。

 

 

つまり、血肉化する。

 

 

これが『できる』。

 

 

この時の特徴は

『わかる』の段階で理解したことが

実践体験を通すことで理解が深まっている、

というものです。

 

 

そして、深い理解になると

次にやって来るのは…

 

他ジャンルとのつながりです。

 

 

例えば、これはうちの生徒さんに

好例がいますので紹介します。

 

 

ギター練習をつづけていくなかで

 

「聞き手のことを思いやることが重要で

その感覚を実は養っていたのだ」

 

と氣付いた生徒さんがいます。

 

 

この生徒さん、ある日、自分がやっている

営業の仕事と通ずると感じました。

 

 

 

営業もただの押し売りになってはいかん。

 

 

相手のことを思いやってやるものだ、と

気付いたそうです。

 

 

 

以来この方、営業のやり方が変わりました。

 

 

結果、成績が上がって、

大きな商談で起用されるようになり、

稼ぎ頭に名を連ねるようになられました。

 

 

 

営業の仕事と通ずる、と感じた…

 

つまり、ギターでやっていたことが

他ジャンルと繋がったわけです。

 

 

これが『つながる』。

 

 

 

こうやって他ジャンルとの繋がりを感じると

自然にこういう考えが浮かびます。

 

 

『これは他にも繋がっておるものがあっても

全然、おかしくないぞ?』

 

と。

 

 

こうなると今度は積極的に

他ジャンルのことを学び始める。

 

 

そして、段々にギターと

他ジャンルとのつながりが見えてくる。

 

 

これが『ひろがる』。

 

 

 

こうなるとすでに

ギターの練習はただの練習の域を越しています。

 

 

表面的に見たらギター弾いているだけにしか

見えませんがその内側で起こっていることは

想像つかないほど大きなことが

起こっているわけです。

 

 

こうなるからこそ音楽が楽しくなるわけで、

人生も底上げされるのです。

 

 

こういうつながりが発見されると

不安な世界が少しずつ安心に変わるからです。

 

 

本当に大事なものは何か、自然と見えてくる。

 

 

それがわかっていることは

安心につながるのです。

 

 

当然、そういうことが分かればわかるほど

暇な時間はなくなっていきます。

 

 

『わかる』『できる』『つながる』『ひろがる』を

実習して行くことのほうが楽しいからです。

 

 

それが楽しいから朝、寝床で

グダグダすることもなくなるし

ダラダラとネット見たり、

アイフォンでゲームやったりすることも

減っていきます。

 

 

個人的に最近実感しはじめたことなのですが

食事内容や量も勝手に適正化していくように

なってる気がします。

 

 

実際、前みたいに意図的に

ダイエットしようとしなくても

体重も適正体重に近づいています。

 

 

心の安心と身体の養生が

望んでないけど起こるようになっていくわけです。

 

 

 

僕はかねてから趣味でやっているから

テキトーにやっていて良いのだ、

という考えはもったいない

と言ってきたつもりですが…

 

これはこういうことが起こることを

知っているからなのです。

 

 

 

茶道や武道と言った

他の文化と同じように音楽…

 

特に楽器演奏にも道の要素があるのです。

 

 

同じやるなら人生に活かすレベルまで

やったほうが楽しいと思いませんか。

 

 

 

そのために必要なことは…

 

飽きずに1つの練習を実践し続けることです。

 

 

 

冒頭に示したように…

 

『わかる』と『できる』の実践も

続けることで鈍物でも悟ります。

 

 

一行三昧という言葉もあるように

教えはただひたすらに続けるものなのです。

 

 

是非、『わかる』『できる』『つながる』『ひろがる』を

 

体験してください。

 

 

ギターが一生の友になり

人生の可能性を開いてくれると信じます。