もう、かれこれ27年も前の話。

 

今から思うと、僕は当時、何をやらせても

ダメな高校1年生でした。

 

 

特に数学の成績はクソレベル。

 

親には隠しましたが、学校のテストで

3点という点数を叩き出したときには

 

「いっそのこと0点の方が良かった」

 

と思ったほど。

 

そんな何も出来ない自分が大嫌いでした。

 

 

当時通ってた塾の先生は僕の親に、

僕の目の前でこう言いました。

 

「数学は基本からの積み重ねです。

途中でわからなくなると前に進めません。

基本からやるには時間がかかります。」

 

つまり、「手遅れだ」と言いたいわけです。

 

できるだけ頑張りますが、

レベル高い学校に行くのは諦めてください、

という通告だったのかもしれません。

 

 

それを聞かされた当時の僕は

「数学は向いてない」と思ったのです。

 

「もう、手遅れ。

 

だから、もう、勉強する気も起こらないし、

どーでもいぃ。」

 

そういう気持ちだったのを覚えています。

 

 

でも、両親は心配するものです。

 

僕に家庭教師をつけました。

 

 

この家庭教師がその後27年にわたって、

僕の一生の師になるとは当時の僕は

知るよしもありませんでした。

 

 

先生は三角形の面積の問題を使って、

こう教えてくれました。

 

「お前は公式を丸暗記してるけど、

それ、テストで忘れたらどーすんの?」

 

「公式は忘れたら作るんや」

 

「昔の数学者ゆーても、偉い人か

なんかしらんけど、お前と頭の中身なんか

変わらんで」

 

「公式の作り方、教科書に書いてるで」

 

等々…

 

 

これが初回の授業で教えてもらったことです。

 

僕はこれで変わりました。

 

 

1ヶ月後には同学年で上から数えたほうが

早いくらいの成績を出せました。

 

奈良県では上から300番以内にランクイン。

 

クラスメイトは休み時間になったら

僕に数学の教えを請いに来る、という

それまでの僕からは想像もつかない世界が

開けてしまった。

 

急に秀才扱いされるように

なってしまったのです。

 

 

それもこれも、あの先生の授業がきっかけだったのです。

 

 

さて。

 

これはギターも同じ。

 

 

ギターがうまくならない…

 

なんとかしたい…

 

弾けるようになって音楽を楽しむのに

憧れるけど弾ける気しない…

 

 

それはあなたのセンスや能力が

至らないからだと思っているかもしれません。

 

まぁ、そういう部分は

ゼロでは無いのかもしれません。

 

 

でも、それは確認する術がないのです。

 

数値化するとか出来ませんから。

 

 

でも、ちょっとした「ズレ」があるからだ…

というのは確認できます。

 

ズレを修正したら結果が変わるからです。

 

その結果を経験することで確認出来るのです。

 

 

そして、実際、僕は20年以上の講師経験から

ギターが上手くいかない人は

ちょっとしたズレがあるだけ

だと思っています。

 

 

僕が数学に対して思っていた誤解。

 

間違った現実の解釈。

 

それがちょこっと修正されると

2時間で人は変わるのです。

 

 

同じ様に、うまくいかない経験を

しているときはギターに対して

ちょっとした誤解があるのかもしれません。

 

ちょっとだけ現実を間違えて

解釈しているかもしれません。

 

少なくともそういう視点があることは

知っておいて損はないと思いますが、

いかがでしょうか。