昨日に引き続き宅配便ユーザーさんが
またまた素晴らしいことを
コメントしてくれていたので紹介します。
さほど意識をせずにやってみたら
出来たっぽいコードチェンジ。意識したとたんにスムーズに
できなくなりました(笑)心が表れる一つの例ですね。
短いですが、この短文に非常に現実的な
ギター演奏の大問題が隠れております。
意識しなかったら出来るのに
意識したらできなくなる問題ですね。
これはよくあることでしょう?
「ライブで普段の実力の50%も出たら
御の字やと思え。」
これは僕が音楽学校時代に
師の一人である
The Savoy Truffleの住友俊洋さんに
直接いただいた教えです。
住友先生は世界中で弾いていた人だから
ライブ経験は僕なんかよりずっとある。
ギタリストの大先輩であるのに
自らは学がないと言って、僕みたいなものに
色々と質問をくださった方です。
よく仰っていました。
「俺は奥ちゃんみたいに学がない。
だから、色々教えてもらわなあかんねん。」
この人はなんと大きな人だろう。
そして、自分はなんと小さいのだろう、と
当時思ったほど偉大な方でした。
先生がある日、授業でブチ切れた。
生徒の態度に腹を立て、
その場の人間全員が震え上がるほど
キレ散らかしたことがあった。
そんなときも先生は終わってから、
何故か僕に相談してくれた。
「俺は指導者としてダメだ」
とタバコをくゆらせながら仰って、
僕は「なんとかっこえぇ人や」と
しびれながらも
「先生は悪くないです、
そんなこと言わんでください」
とひたすら言うしか無かった
あの日の光景を思い出しました。
そんな先生がそのご体験から授けてくれたのが
「ライブで普段の実力の50%も出たら
御の字やと思え。」
という教えです。
つまり、世界中を飛びまわって
演奏していた人でも
実力の50%も出せてる感覚はなかなかない、
ということです。
その原因はやはり先の生徒さんと同じく
意識することでしょう。
「よく見せたい」「次こそはうまく弾きたい」この思いが強すぎると人はうまく弾けなくなる。
先生の教えからも、僕自身の体験からも、
生徒さんの体験からも、
先の宅配便ユーザーさんからの話からも
言えることだと思います。
如何に自然体でいられるか。
自然体でいるにはどうしたらいいでしょう?
先生は言葉にしなかったけど、
「ライブで普段の実力の50%も出たら
御の字やと思え。」
には続きがあると思っています。
続きは…
「だから、普段の練習で余裕を意識せよ。
余裕を作れ。
その感覚が生まれるまで身体に演奏を
なじませろ」
というものです。
普段の練習で緊張しても崩れないレベルの
余裕を創ることを意識したら良いのです。
これが僕がここまで演奏と指導で自得した
先生の教えの続きです。
追記
住友先生は草葉の影で
どう思ってくれているだろう。
普通、弟子は演奏を捧げるものかもしれませんが
僕はコーチになってしまったので
演奏の代わりに自得した教えを捧げたいと思います。