先日、オンラインレッスンをやっていた時のこと。
ちょっとハラハラする場面がありました。
というのも、この時の生徒さんは
普通に弾けているからです。
正確には「弾けているように見える」。
問題となっているフレーズは
アルペジオフレーズ。
ピックで弾くアルペジオフレーズだったんだけど
ちょっと変わったフィンガリングを
採用していたからかして
成功率が低い、というのが
課題だと思っていた。
本人がそう思っているからとりあえず、
僕も現状を確認するんだけど…
何回弾いてもこの生徒さん、
うまく弾くんですよね…
こうなると問題です。
だって、相手は「成功率が低い」と
思っているのに実際の演奏は
成功率が高いのだから。
こういうときに多くの場合、
2通りの道が考えられるでしょう。
1つは何かしら見えてない課題があると
仮定してそれを探る。
もう1つは実は課題なんてなくて
本人が勘違いしているだけ、と判断する。
何度弾いても成功するのだから
後者として判断しそうになりました。
でも、それなら御本人の
「成功率が低い」という感覚は
一体、何なのだ?
ということになります。
かといってあまりここにこだわりすぎると
レッスンの時間を無駄使いしたことになり
相手に迷惑がかかります。
なので、何も思いつかなかったら
課題を持ち越そうと思っていました。
でも、そう思っていると面白いもので
見つかるんですよね。
彼の場合は意外なことに
フィンガリングにおける親指の使い方に
致命的な欠点がありました。
なので、それを教えると
御本人、演奏中の感覚が大きく変わったらしく
圧倒的に弾きやすくなったという
実感を得ました。
これなら変化した部分が生まれたわけですから
成功率が上がっても全く不思議ではない。
問題は完全解決したわけでは無いけど
大きく前進したと言えるでしょう。
この様にギター演奏というのは
どこに課題・問題があるか?
というのが明確になると
あとは勝手に解決するものです。
上達とはこれの繰り返しです。
普段、リズムの話を良くしますが
リズムの話をする理由は、ほぼ全員、ここに
課題を抱えているからです。
自覚してようがしてなかろうが
リズムに課題がある人は極めて多いですからね。
ただ、先の生徒さんのように
本当の課題と言うのは非常に見えにくいときがある。
確かに上達とは課題の克服のことなのですが
その課題と言うのはときに
ものすごく見つけにくいことを覚えておきましょう。
追記
まぁ、課題がうまく見つからない時は
リズムをやれば良いのだから
ギター上達はいずれにせよ、単純です。
単純なのに挫折者が多いのは
他にも理由がありますが、またそれは他の話。