先日レッスンで生徒さんがこんな事を
口走りました。
「先生のピッキングの親指の角度を
真似していました」
自分を真似してくれていることに対して
「信頼してくれてありがとう」という気持ちは
あるのですが…
やっていることは残念ながら
あまりいいことではないので、
それをレッスンで修正しました。
ただ、この話には
身体操作の本質が隠れているので
シェアします。
この生徒さんが真似をした
ピッキングの親指の角度。
これはギターの世界では
「ピッキングアングル」と呼ばれるものです。
このピッキングアングルは
ギターの音色を変化させる1つの要素でして
ポール・ギルバート先生もレッスンされている
奥の深いテーマです。
これを真似する際、
自分の音を見つけるために
一旦人の真似をして、そこを基準にする
という意図を持っている場合は
とてもいい手立てになります。
しかし、この意図を持っている人は
非常に少ないです。
この生徒さんもそうでした。
あまり、突っ込みませんでしたが
多くの人と同様に
「弾きやすいピッキングアングルがある」
と信じて、僕の真似をした。
この発想はまずいのです。
そもそも、ピッキングアングルというのは
先にも書いたようにギターの音色を
変化させるために利用するテクニックです。
ということは、弾きやすさは
本質的には関係ないことになります。
弾きやすいから
順アングル(ブリッジに向かって傾くアングル)
という考えは本質ではないと
いうことです。
なので、レッスンでは
逆アングル(ヘッドに向かって傾くアングル)で
弾く時の例を示しました。
何故、順アングルや逆アングルにするのか?
その音色がフレーズにしっくり来るからです。
だから…
順アングルだと弾けるけど
逆アングルになったら弾けない
というのでは身体操作的に
何か体得できてない部分がある
ということが言えるのです。
物事を学ぶ時は
真似をすることが基本です。
でも、その「真似」というのにも
レベルがあるんです。
表面的な要素を真似するレベルもあれば
心の中を真似するレベルもある。
もちろん、心の中を真似できると最高です。
少なくともそういう意識を持っている方が
同じ趣味でも奥深さがでてきて
楽しいと思いますよ。
是非、真似する時は
心の中を真似てみてください。
追記
武道の世界に
「師の跡を求めず、
師の求めたるところを求めよ」
という名言があるそうです。
これは、芭蕉の
「古人の跡を求めず、
古人の求めたるところを求めよ」
から来ているそうですが
この芭蕉の言葉も
これがネタ元だと言われています。
↓
何にせよ、「跡」…
つまり、表面的な形ではなく
「求めたるところ」…
つまり、心を見ようという教えです。
今回の話と全く同じ。
「稽古」という言葉があるけど
これは「練習」のことだと思っている
人がいます(僕もそう思っていました)
でも、これは古に思いを馳せよ、
という意味なんですよね。
教えの表面ではなく
心を見る。
見ようとする。
そうすると物事の真髄、本質に
たどり着きやすいのです。
是非、心を見ようとしてみてください。