三毒という戒めがあります。

 

 

本当は「戒め」ではないだろうな、と

個人的に思っているのですが

世間一般的には「戒め」で通っているので

話をわかりやすくするために戒めということで

話進めます。

 

 

貪瞋癡(とんじんち)というのが

その内容です。

 

 

貪とは「欲望」と言われますが

要は「貪る心」のことです。

 

 

欲や望みを抱いてはいけないのではなく

得たものに対して感謝せず、

無闇矢鱈に不足を嘆くことをいうのだ

と思います。

 

 

つまり、貪りにとらわれている。

 

 

 

瞋とは「怒り」にとらわれること。

 

 

都合の悪いことは自分以外のもののせいにして

自分を被害者だと錯覚すると

怒り、憎しみ、妬みとなるわけです。

 

 

 

癡とは「知恵を求めないこと」。

 

 

無知に甘んじるということでしょう。

 

 

つまり、自分の勝手な

思い込みに囚われている状態。

 

 

 

共通しているのは

自分にエネルギーを注がない態度です。

 

 

 

貪りなら、自分に与えられているものに

エネルギーを注いでない。

 

 

怒りなら、他にエネルギーを注いでいる。

(だからこそ、他に被害を被る意識になる)

 

 

無知なら、自分の気づきや学びに

心を閉ざした状態。

 

 

要は自分にエネルギーを注いでないのです。

 

 

 

これ、ギターでも全く同じ。

 

 

三毒のような態度を知らない間に取る人は

やっぱりうまくいかない印象です。

 

 

ギターに置き換えるなら…

 

 

自分の出来てるところを喜ばずに

他人と比較して自分はまだまだダメなんです、

全然上達してないのです、とかなんとか言って

もっと善い教えをー、とか貪るわけです。

 

 

これが機材に向く人もいますね。

 

もっといいギターを、もっといいアンプを

もっといいエフェクターを。

 

みたいな。

 

 

純粋に機材を面白がっているのではなく

根底に不足感がある状態。

 

 

貪りとなるわけです。

 

 

 

自分がうまくならないのは

センス才能がないからだ、

 

ちゃんと教えてくれる人がいないからだ

 

自分も楽しく弾きたいのに

あいつが楽しそうにしていて気分が悪い。

 

 

とか言って、プリプリしたり、すねたりする。

 

 

ひどい場合は他人の演奏動画に

「下手くそ」などと書き残して

去っていったりする(ある種の病気)

 

 

怒りですね。

 

 

 

ちょっと都合の悪いことを耳にしたら

「それは違う」という理由を

わざわざ探してきて論戦をふっかける。

 

 

今の自分では出来ないからこそ、

人の話を聞いているはずなのに

そんな出来ない自分の理解を疑うのではなく

人の話を疑っている。

 

 

これは知恵に対して心を閉ざしているのです。

 

 

そういう態度だから

当然、注ぐ努力も時間もお金もエネルギーも

無駄になってしまう。

 

 

そして、うまくいかない現実に

自分は何も悪くないと自分を正当化して

そもそも備わっている力を

放棄してしまっていることに気付けない。

 

 

これが癡。

 

 

白癡であり、愚痴ともいうわけです。

 

 

 

ギターも同じでしょう?

 

 

悪例ばかり並べ立ててしまったのですが、

本当にいいたいのは

 

「ほらほら、あなたも三毒持ってるでしょ、

ダメねぇ」

 

ってことじゃありません。

 

 

 

本当にいいたいのは、

 

これって本当の意味で

自分にフォーカスしてないだけなんだぞ、

 

ということなのです。

 

 

 

本当は、あなたも僕も、他のみんなも

力もってます。

 

 

才能もある。

 

 

力や才能だけではありませんよ。

 

 

時間や努力を注げるだけの

健全な肉体もある。

 

 

口ではないといいながら

お金も本当はある。

 

 

衣食住が満たされている人が

ほとんどなのです。

 

 

本当は満たされていて、豊かで幸せなのに

そうでないと錯覚している。

 

 

この錯覚こそが三毒の原因であり

ギターにおいても楽に上達できない人の

陥っている状態だと、

長年、たくさんの生徒さん見てきて思います。

 

 

もちろん、僕も三毒を持っていて

その幻を晴らしている途中の段階にいます。

 

 

 

だから、まずはすでに持っているものや

満足にあるもの。

 

 

自分の中にあるもの

 

 

得たスキル

 

 

得た体験

 

 

すでに得ているものに目を向けてみないか?

という話なのです。

 

 

 

そうやって自分が思っているより

ひどいことになっていない、

むしろ、良い感じじゃねーか。

 

ということが実感できて初めて、

努力というのが最適化するのは間違いないです。

 

 

 

これはやったらわかる。

 

 

だから、ピンと来たらやりましょう。

 

 

ピンと来なければやらなくていいし

キチガイの戯言としてスルーしたらいい。

 

 

ピンと来た人だけやってみましょう。