あなたは最短最速で目的を達成するのが
好きですか?
もし、イエスなら素晴らしいですね。
向上心が強い方なんだと思います。
ただ、最短最速とは何をもって
「最短最速」と言うのでしょうか?
そう言われると答えに詰まるということであれば
今回の話はすごく役に立つのではないかと
思っています。
さて。
前回、イチローさんと稲葉さんの対談の話をしました。
忘れている場合は前回の話を御覧ください。
実はあの対談には続きがあります。
こう続くのです。
イチロー:
「だから、トレーニングをする前に、
人体を理解することが大切なんですよ。
それでだいぶ差が出る」
稲葉:
「それがわかったのは、
いつぐらいのことですか?」
イチロー:
「実は、僕もウェイトトレーニングを
やっていたんですよ。
身体が大きくなったら、嬉しくなるじゃないですか。
でも、そのことでスイングスピードが落ちるんですよ。
6、7年は同じ失敗を繰り返していました」
稲葉:
「あるときに、ふと気づいた?」
イチロー:
「毎年、不思議だったんですけど、
僕は春先に全然動けなかったんですよ。
でもシーズンに入ると、
そんなにガンガントレーニングで
きないのに、痩せてくるじゃないですか。
身体をキープできないから、
どんどん痩せてくる。
そうすると、スイングスピードが上がるんですよ。
ムダなところが省かれるからですよね」
稲葉:
「なるほど」
イチロー:
「それが答えじゃないですか。
本来のバランスを崩したら、ダメなんですよ。
情報が多すぎるから、
どれをピックアップしていけばいいか
という問題がある
稲葉:
「たしかに。
でも、下手をするれば、
最短でいける可能性もあるわけですよね?」
イチロー:
「無理だと思う。
あの失敗をせず、
全くミスなしでそこにたどりついたとしても、
深みが出ない。
単純に野球選手としての作品が
いいものになる可能性は、僕は少ないと思う。
あったとしても、やっぱり遠回りすることが、
すごい大事。
『ムダなことって、結局ムダじゃない』
という考え方が僕は大好きで、
『今やっていることはムダだ』
と思ってやっているわけではない。
僕はムダに飛びついているわけでは
ないんですよ。
〝後ろから思うと、すごいムダだった〟
というのが、すごく大事」
稲葉:
「遠回りしてもいいから、
いろいろな経験をすることが大事ということですね」
イチロー:
「遠回りすることが一番の近道。
僕はそれを信じてやっています」
どうでしょうか?
これ、読んで
最短最速の定義がはっきりしたでしょうか?
もし、はっきりしないなら
もう一度読み返してみてください。
そして、あなたの脳で思考して
あなたの結論を出してみてください。