体験レッスンをしたときの話。
Iさんという20代の女性で、すらっと背の高い礼儀正しく、とても感じの良い方でした。
のっけからいい雰囲気が場に流れてて、非常にやりやすい空気感。
そんなIさんは弾き語りがしたい方。
山崎まさよしのような曲調が好み。
駅前とかでよく歌っている人とかを目にするたびに自分も同じように表現したいと思っていたらしく半年前にギターを購入。
ところが、全然弾けない。
音楽にならない。
YouTubeとかにアップされているギターレッスン動画とか見て練習してもダメだったこともあり、諦めたという経験をされていました。
でも、家にギターはおいてあるわけで。
目にするたびに、ちょっと触ってみるもののやっぱり弾けない。
弾けるようにはなりたいけど、何をしたら良いのかわからないという気持ちになったそうです。
そこで、教室探すことに。
そしたらうちがヒットしたので来られたという経緯でした。
ひとしきり話を聞いて、とりあえず弾いてもらいました。
で、それ見てからその後も色々お話しているとIさんは1つ重大なことに気づいていませんでした。
彼女が気付いてなかった事
それは・・・
ギターはいきなり曲にしようとするのが難しい楽器
ということです。
そもそも、ギターというのは非日常的な身体の使い方をします。
日常生活にあんな手の使い方はないのです。
だから、音を出すだけでも最初はハードルがある状態。
なのにIさんはその何歩も先の「1曲弾き通す」というステージを目指していました。
そりゃ挫折します。
なので、最初は1曲弾き通すのではなく、1フレーズ弾くところからスタートしよう、ということを伝えました。
そして、実際にやってもらいました。
すると・・・
10分くらいでちゃんとフレーズが弾ける気配が・・・。
それを一番感じたのは本人です。
お帰りの頃には表情が変わっていました。
何をキャッチしましたか?
いかがだったでしょうか。
あなたはこの話から何を学び取りましたか?
もし、あなたがここで「自分の段階に合わないことをやろうとすると挫折する」というメッセージを受け取ったなら優秀だと思います。
ただ、それならこの質問に答えてください。
あなたは自分の段階を正しく知ることが出来ますか?
さて、どうでしょうか。
先の学びは素晴らしいですが、自分の段階がわからないと使えない学びになってしまいます。
そう考えると実は先の学びはあまり現実的ではないことになります。
先の話から学べる事
でも・・・
どんな人でもいつも見直したほうが良い段階はなんだろうか?
この問の答えなら使えると思いませんか?
もし、イエスなら答えてみてください。
答えは何でしょうか?
答えは、リズム。
リズム攻略です。
もちろん、1曲通すのではなく、1フレーズでもいいから弾けることが最初のスタートになります。
そして、その際に一番重要視するのは音楽において一番影響力のあるものにしておけばさっさと結果が出る。
少なくとも「弾けそうな感覚」は得られるのです。
これが練習のモチベーションになり、練習が続く。
この状況でうまくいかないというのは考えにくいと思いませんか?
でも、多くの人はここで
- コードの音がちゃんと音が出てない
- 指が追いつかない
- 音がしょぼい
といったような感じで音色を気にするわけです。
でも、真に気にするべきはリズムです。
ドラムをイメージしてみてください。
ドラムにはギターのような音階はありません。
でも、ちゃんと音楽に聞こえるはずです。
つまり、リズムの影響力は大きいということです。
だから、ノイズまみれでもいいからリズムをいつも大事にすること。
大体、音色なんてものはイメージしたリズムとセットになっているものなのだから。
冒頭で紹介したIさんがうまく行かなかったのは実はリズムを大事にしてないことが原因です。
だから、1フレーズも弾ける気がしなかっただけなのです。
リズムを大事にする人は音楽を素早く楽しめるようになり、そうでない人は音楽で苦しむのです。
リズム、大事にしましょう。