iphoneが鳴りました。

ふと見ると生徒さんがラインしてきたようです。

でも、開けてみると
謎の音声ファイルが…

聞いてみると誰かの歌が入っていました。

大抵、生徒さんが音声送ってくる時は
ギターの演奏を見てほしいから送ってくるものなので
「ん?何かの間違いかな?」と思いました。

でも、間違いではなく、
これは、特別な歌だったのです。

この生徒さんには一人娘がいて
その子のお腹の子どもに対して
創った歌だった。

これに合わせてギター弾けるようにしたい
というお問い合わせだったのです。

もちろん、めでたいことですから
早速、コードをつけました。

こういう時は面白いもので
自然とコードが降りてくる。

コードをつけ、それを僕が仮で
弾き語ったものを録音して送りました。

その速さも10分程度で全部終了しました。

後で時間見て、あまりの速さに
「やっぱり神さんっちゅーのはおるな」
と思わざるを得ない感慨を感じましたが、
その時はとりあえず、終了。

後日、この生徒さんのレッスンがあったので
コードやリズムの弾き方を教えました。

それが6月の下旬だったのですが
6月最後の日の朝、今度はその生徒さんが
ご自身と娘さんと一緒に
歌って演奏している動画が送られてきました。

娘さんのお腹も大きく、
パッツパツに膨らんでおりました。

つい、自分の娘が生まれる時の妻のお腹を
思い出してしまいましたが、
その動画では、2人共笑顔でお腹の子どもに
歌っているのがなんとも微笑ましいものでした。

ところが、最後に、
娘さんが「陣痛きたかも」とか言い出して
びっくりして、ライン返信したら早速
入院したとのこと。

無事にうまれてくるようにと
祈るような気持ちでおったのですが、
1日たって7/1の朝、
生徒さんから出産成功した知らせと
赤ちゃんの動画が送られてきました。

そこには生まれたての可愛い赤ちゃんが
収められておりました。

長い事ギター教えておりますが
こんな美しい経験をしたのは
初めてかもしれません。

とても嬉しいものです。

やっててよかったと思える瞬間であります。

ギターや音楽と言うのはこういう風に
人の生活に昔から密着してきたのでしょう。

人生の栄枯盛衰、生活の喜怒哀楽、
古来から人は音楽を使って
人生のいち場面を表現してきた。

人生というその人だけの体験に寄り添うもの。

それは数多くあれど、
音楽は身近に出来るひとつです。

もし、あなたがギターを弾いているなら
色々あることでしょう。

上手く弾けなくてストレスを感じることも
自分の才能の無さを見せつけられたような
気持ちになることもあるでしょう。

僕もそれを何度も経験しました。

でも、続けていると自分の人生の喜怒哀楽を
表現するだけでなく、まさかの他人の人生を
彩る一コマになれたりする。

音楽というのは人間の生活を豊かにしないなどと
浅薄で自分の不学を棚に上げる怠け者が
いつの時代もおるものですが
実際はそういうものではない。

逆であります。

音楽は人の人生をダイナミックに表現する
人間に与えられた偉大なツールです。

人間はただ、金を儲けて、高級車を乗り回し
広い家に住むだけという底の浅い存在ではない。

そんな死んだらあとに何も残らないものに
いつも振り回されておるような
幼稚な存在ではない。

だから、その証拠に
どんな愚か者でも死ぬ間際には
「もっと挑戦したら良かった」
「もっと家族を大事にしたら良かった」
「もっと人生を思いっきり生きたら良かった」
と後悔する人が多いのです。

自らの保身と競争に生きるのは間違いだと
心の底ではわかっているからこそ
死ぬ間際にはこう思えるのです。

これを読んでいるあなたは
すでに音楽をやっているのでしょう。

ギターを弾いているのでしょう。

それはとても人間としては崇高で
自然な行為なのです。

続けいていれば花も咲き、
果実を得ることも出来るでしょう。

そんな可能性を今一度、感じていただけたら
嬉しいです。