「お前、そんなんでは一緒にやっていかれへんな」

 

僕はこのとき最悪の気分でいました。

初めて来た、バンドのドラマーの家で僕は事実上、バンドから追い出されそうになっていたのです。

 

これは言い換えたら

「お前、下手くそやから一緒にやりたくない」

といわれている、ということです。

 

 

下手くそと言われても自分では何が下手なのかわかってないから一番タチが悪いパターンです。

 

 

心の中から怒りがふつふつと湧いてくる。

 

「なんで、こいつにここまで言われなあかんの?」

 

そばにあった灰皿が目に入ります。灰皿にはドラマーの吸いかけのタバコが置いてある。

 

僕の頭の中に恐ろしい絵が浮かびました。

「いっそ、こいつ、ぶっ殺してやろうか・・・」

 

そんなことを思ったとき、ドラマーが

「奥ちゃん、やる気ある?」

と口にしました。

 

僕はうつむきながら頷きました。

 

 

するとドラマーは

「しゃーないなぁ・・・」

といって僕の欠点を教えてくれました。

 

 

バンドやめさせられそうになっていた男の欠点

何だったと思いますか?

僕が下手くそ呼ばわりされてた理由・・・・

 

それはリズム。

リズム表現が全くなってなかったのです。

 

 

相手はドラマーだからリズムに目が行ったのだと当時は思っていました。

でも、そうではありませんでした。

 

 

ドラマーにリズムを指摘されてから、僕の演奏を楽しみにしてくれる人が増えたからです。

 

「ギターすごく良かったです。僕もあんな風に弾いてみたいです。」

とか

「次のライブいつやるんですか?行きたいので教えてほしいです。」

とか

「ホームページないんですか?」

とか言われるようになったからです。

 

 

僕たちギタリストはメロディもリズムも弾ける立場です。

だから、メロディに意識が行く人も多い。

 

でも、実はリズムが重要なのです。

リズムが上手い下手を分ける1つの大きな要素になっているのです。

 

リズムは素人でも違和感を感じやすい部分だからです。

だから、リズムに意識的になること。

 

それだけでギターはうまくなったりするのです。