門出という言葉があります。

非常にめでたいことです。

しかし、こんな門出もある…

そんな話。

昨日、レッスンやっていた時のこと。

来てくれたのは高校生の女の子。

大学に入ったらバンドやるのが目標です。

だから、バンド入った時のことを
見越して指導させてもらっています。

そんな彼女は数ヶ月前くらいだったか
ギターソロに興味を持った。

好きなバンドのある曲のギターソロ。

好きなバンドだけに完コピしたい。

ギター始めて1年も経たずに
いきなりソロの完コピは難しい…

でも、彼女はそれをやりたいのです。

そこには静かだけど熱意があった。

なのでやらせてみた。

やらせてみたらえらいもんですね。

ちゃーんとやってくる。

それなりに弾けるようになって
レッスンに挑んでくるから
やはり本気だったな、ということを
確認しながらここ2~3ヶ月位は
ギターソロをやってきました。

遅いテンポながらも形になってきたこともあり、
「なかなか筋がいいな、この子は」と思っていたら、
彼女から要請されました。

「今度はバッキングをやってみたい。」

途端に僕の中でスイッチが入りました。

というのも、ここからが
難行苦行の始まりになりかねないから。

そして、大きく変化する予兆です。

最初は先のソロを練習していた曲の
バッキングをやってみたい
と言うことだったのでやってもらった。

8ビートのリズムだったこともあり
やりやすかったのでしょう。

僕からの要求にもちゃんと応える
演奏をした。

すると、実はやってみたい曲が別にある
というではありませんか。

それでその曲を聞いてみて思いました。

「あ、これは来たな…」

彼女は少し苦労するだろう、と思ったのです。

それは16ビートの曲。

いざやってもらったら普通に弾ける。

でも、バンドで合わせることを考えた時に
いずれ必要になるであろう要素を
一つずつ要求し始めると
途端に彼女の顔に真剣味が増してきました。

レッスンが終わってこんなことをいい出した。

「バッキングって難しいですね」

その言葉には非常に含みがあるように感じました。

それは「軽く見てたんだけど」という含み。

弾けると思っていたものが弾けないとわかる。

これは本人にとっては
決していい気持ちではありません。

でも、それを彼女は認めることが出来た。

これが大事なのです。

これで変わる。

バッキング、リズムギターを
軽く見ておったら大間違い。

リズムギターにこそ基礎が詰まっている。

弾けると思っている人は多いけど
それは単に基準が低いだけです。

弾けると思っていたのに弾けない

自分にはまだまだ基礎が無いとわかる

それを受け入れることが出来たら
最初のステップはクリアです。

これが大きな成長の門出となります。

きっと、彼女は大きく変わるでしょう。

これからが楽しみです。

あなたはバッキング、リズムギターを
軽く見てないでしょうか。

基礎を浅薄に捉えていないでしょうか。