音楽学校の時の同期が卒業してから電話をかけてきたことがありました。

電話越しになんか興奮している模様。

 

「なんか、お前、速弾き出来る素質あるらしいで!」

いきなりこんなことを言ってきました。

 

 

突然の話に戸惑いながらもよく話を聞いてみると彼は学校に顔を出したというのです。

すると、ある速弾きギタリストが母校の講師になっていた。

 

 

雑誌で見たギタリストを目の前にして興奮した同期は話しかけたというのです。

そして、そのときに僕の話をしたというのです。

 

 

自分の同期に変わったやつがいます。

みんながソロとか速弾きとかやっているのにそいつだけはバッキングばかり弾いていた。

そして、バカのひとつ覚えみたいにカッティングばかりやっていた、

と。

 

 

 

するとその速弾きギタリストが言ったそうです。

「そいつ、多分速弾き出来るはず、めっちゃ上手いギタリストになる」

 

 

それで同期は不思議に思って聞いたそうです。

「なんでカッティングばっかりやってるやつが速弾きできるんですか?」

と。

 

 

するとこう答えたそうです。

「カッティングってあれ、フルピッキングの練習だよ?」

と。

 

 

それで同期は氷解。

カッティングに興味をもって、僕に電話してきた、ということです。

 

 

結局、大体のギター演奏の基本はこれ

僕はこの話を聞いてなるほど、と思いました。

カッティングの動きを小さくしたらフルピッキング速弾きになる。

たしかにそうだ、と思いました。

 

 

ただ、この話は速弾き云々とは違う視点を僕にくれました。

僕はこの話からカッティングというのはギター演奏の基本になると思ったのです。

そして、カッティングというのはバッキング、リズムギターそのものです。

 

カッティングというのは弦を押さえて弾く、という基本動作をやっている上に、トーンとリズムを徹底的に整えることが出来る技術です。

 

僕はこの話を聞いて、自分のレッスンのメインをバッキング、リズムギターにすることにしたのです。

結果的に、生徒さんからの質問は瞬間で答えを出せるようになったし、相手に合わせたレッスンの質も高まりました。

挫折する生徒さんが激減し、ちゃんと技術をモノに出来る人が増えたのです。

 

だから、自信を持って言えます。

ギターはバッキングを徹底的に練習することです。

時間や労力はそれなりに必要ですが間違いなくギターはうまくなるし、上達出来るので。