「みんな、テクニカルで速い演奏をするのは
難しいと思っているけど、そんなことはない。
トーンを抑えて曲に合った演奏をするには、
はるかに勇気とスタイルが必要だ。
そして、エースがKISSでやったのは
まさにそれだ。」
こう言い残したのはヌーノ・ベッテンコート。
エクストリームのギタリストです。
このコメントは
先日、キッスのエース・フレーリーの訃報を
受けて彼がコメントしたものです。
若いときにヌーノは哲学者だと思いました。
エクストリームの3枚目のアルバムの
インタビューを読んで「哲学者だ」と
思ったんですよね。
そして、すごくシビれた。
そんな10代の記憶を呼び覚ましてくれるような
言葉です。
そして、それは独りよがりなエセ哲学ではない。
実に本質を捉えていると思います。
確かに演奏というのはリズム、リードに限らず
音の長さが長いほうがプレッシャーは強いです。
リズム外したら素人目でもわかるほど
わかりやすくミスったことがバレるし
音選びも間違えると興ざめ感が半端ない。
アドリブではなく
前もって弾くフレーズを
作り込んでいたとしても
それを人前で弾くとなると
プレッシャーに負ける自分と戦ったりする。
それはヌーノが言うように「勇気」です。
そして、その勇気ある決断をしたのが
エースであり、彼が創ったスタイルだと
喝破しています。
実はこの
トーンを抑えて曲に合った演奏をするには、
はるかに勇気とスタイルが必要だ。
この言葉にギター上達の鍵がある。
リードを弾くとかリズムを弾くとかは
本質的には関係ないということです。
如何に曲にあった演奏が出来るか?
曲を弾く。
曲を楽しむ。
そう考えたときに、EVHが言ったように
曲の9割はリズムなんだから
リズムギターを弾くことが優先になるのは
自然な結論です。
そして、リードを弾くうえでも
リズムに忠実になることが
曲にあった演奏となり
曲を弾けることになり
曲を楽しむことにつながるのだと言えるのです。
何かのフレーズが弾ける・弾けないではなく
その曲なりフレーズなりにふさわしい演奏をして
自分でそれを聞いて楽しむ。
人に聞いてもらって一緒に楽しむ。
それが音楽の本質であり
その本質を押さえて日々楽しむことこそが
最高のギター練習となるのです。
弾ける弾けないという結果に囚われていると
いつまでも自由に楽しむ境地は得られない。
練習法はあくまでツール。
本質は音楽を楽しむこと。
ギターを弾いて楽しむこと。
ここを追求したら自然と上達の実感など
向こうから勝手にやってくる。
そういうものだと思えてなりません。
参考になれば。
追記
先に書いた非常に哲学的なコンセプトだと
感じたエクストリームの3枚目のアルバムとは
これのことです。
↓
この世の視点は3つあるという
コンセプトで曲を書いてアルバムにした
という素晴らしいコンセプト。
曲も素晴らしいのが多いです。